蕎麦みわ

2013年10月15日

岩手山登山

岩手山登山

今日は旅の最終日、いよいよ岩手山に登る日だ。
賢治は盛岡中学校時代に初めて岩手山に登ったと
されている。その後も賢治は岩手山を何度か訪れ
ている。その全ては生徒を引率しての夜間登山で
ある。ご来迎を見る目的もあったが、闇のなかの
光=星を求めての登山であった。

  そうだ、オリオンの右肩から
  ほんとうに鋼青の壮麗が
  ふるえて私にやってくる
             (東岩手山)

登山において、身を震わすような聖なる体験という
べきものに遭遇した人は多いと思う。私も例外では
ない。そのような事があるが故に山岳信仰が存在し
山が人知を越えたものとして存在し続けていると
言える。
賢治が最初に岩手山に登ったとされる岩手山神社から
の馬返し登山口から私達の登山が始まる。

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馬返しは標高630米、岩手山頂は2,038米、標高差は
1,400米余りとなる。

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四合目に到着。ここまで、いわゆる鉄砲登り、急登の
連続である。あとで知った事だが、私達は新道を登った
が旧道の方が景色は良いらしい。

この花はうすゆきそうの仲間です。

ようやく八合目の避難小屋が見えて来た。急登も
終わりを告げ、緩やかに登って八合目の小屋に着く
さすがに日本百名山とあって人が多い。いわゆる
ヤマヤ(登山愛好家)だけでなく普通の人もいる。

ようやくお鉢に着きました。



奥に見えるのが山頂です。


山頂に着きました。相方もよく頑張りました。
360度の展望ですがやや霞がかかったような感じ
で山の同定は出来ませんでした。
下りは疲労のためかかなりの時間を要する事に
なりました。時期の事もあるのか、また登山ルート
にもよるのかとも思いますが、あまり花を見かけ
見かけませんでした。
下山後、相の沢温泉で汗を流して、そのまま東京
迄車を走らせ、深夜帰宅しました。

今回の旅で、私が宮沢賢治に少しでも近づけた
どうかは分からない。それでも賢治の作品とそれ
が舞台となっている地域は分ち難い関係があるこ
とを身を以て知る事が出来た。賢治の歩んだ道を
ある程度整理出来た事は収穫であった。

2013年10月02日

宮沢賢治への旅 2

花巻。盛岡と回ってきて、小岩井農場に着いた頃には
午後2時を回っていた。
小岩井農場と賢治との出会いは賢治が盛岡中学の時に
始まる。3年の時の岩手山登山遠足の帰りに、網張を
経て小岩井農場の立ち寄ったのが始めとされている。
そこで賢治は近代ヨーロッパ風の牧畜や耕作を目の
当たりにして魅了された様で、その後は何度もこの地
を訪れている。
長詩「小岩井農場」や「注文の多い料理店」、「狼森
と笊森、盗森」等、小岩井農場とそれを取り巻く自然
を題材にした作品は多い。

 わたくしはずいぶんすばやく汽車から降りた

という躍動的な1行から始まる小岩井農場はそれまでの
心象スケッチの方法を大幅に押し進めたものとなっている。
広大な小岩井農場の歩く事で心を解き放ち、「景物から
とびたつ空想、そして空想から地史的な世界の幻影と、
大乗経の理念がはぐくんだ清浄な死後世界の幻想に深まって
ゆき、また戻ってくる」(吉本隆明)という壮大な詩世界
を形成している。
時間が許せば、私も小岩井農場散策し、その異空間とでも
いうべき自然に身を置いてみたかったが、それは無理と
なってしまった。せめて概略でも目に入れておきたかった
ので、ガイド付きバスツアーに参加してみることにした。

バスの出発を待つ間に、となりの「まきば園」に行ってみる
ことに。ここは芝生の丘を周回道路が取り巻き、その外側に
売店や飲食店等がたちならんでいる。転がる風船の中で子供
たちが歓声を挙げている。楽しそうである。


バスが出発する。直ぐに表通りに出て本部事務所に向かう。
時間がないのか?窓越しに見えるだけでである。裏へ回って
職員通用口を見せてくれた。出入り口近くに箱があり。そこ
に「社宅の皆さんへ 新聞は下の箱から持って行って下さい」
と書いてあった。そこには古き良き共同体の姿が垣間見えた。
この画像は、網張街道です。賢治はこの道を通って小岩井農場
を散策した。また岩手山登山の帰りにこのみちを通って小岩井
駅に向かったのだろう。

バスは、有形文化財の牛舎や、四階倉庫などをまわってくれるが、
窓越しの映像で三次元的印象は得られない。これは天然冷蔵庫と
言われているもので、小山をくり抜いて造られている。バターの
保管に使われていたもので、先人達の苦労が分かる。

こちらは有名なカメラスポット「一本桜」である。元々は四五本
あったらしいが、今は一本の桜となっている。

いまみはるかす耕地のはずれ
向うの青草の高みに四五本乱れて
なんという気まぐれなさくらだろう
みんなさくらの幽霊だ
                  (小岩井農場)
このあと賢治の詩は幻想の高みに登ってゆくが、私達は小岩井
農場林業部方面の林に案内される。約70分のツアーが終わって
「まきば園」に戻るが、16時を過ぎているにもかかわらず、まだ
たくさんの人がいる。宿のチェックインの時間が迫っているため、
急いで網張方面に向かう。途中数件の新しい手打ちそば屋を見か
けたが、今回は立ち寄る時間がないのが残念だ。明日はいよいよ
岩手山登山だ。

 
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